四季劇場ツリーさて昨日はキャッツでしたが、今日は浜松町の四季劇場において「ミュージカル南十字星」の初日の観劇です。戦後60年の今年に昭和三部作連続公演です。私も8月の「李香蘭」10月の「異国の丘」そして今回の「南十字星」で三部作を全て見させていただきました。

李香蘭・異国の丘・南十字星。これらは全て劇団四季のオリジナルです。つまり純国産ミュージカルです。ほかにも四季のオリジナル作品には赤川次郎原作の「夢から醒めた夢」や「ユタと不思議な仲間達」がありますが、この昭和三部作は四季にとっても、日本のミュージカル界にとっても大きな意味のある作品だと思いますね。

さて、今回の観劇感想ですが、「不思議な緊張感のある作品」かな・・・。まず最初のシーンですが、多くのミュージカルは冒頭に音楽を導入することによって観客を一気に引きつけます。代表的なものにはキャッツのオーバーチェアやオペラ座の怪人のオーバーチェアがありますが、それらの作品と違って始まりは静かに、しかし緊張感のある始まり方をします。四季の俳優の皆さんの緊張感のある無駄のない動きによって我々は一気に物語に引きつけられます。キャッツやマンマ・ミーアのようなワクワク感はないですが、このような始まり方は勉強になります。

実は私は小学校の頃かな・・・「えいきゅうせんぱん」を「永久戦犯」だと思ってました。未来永劫、死してもなおその罪は消えない人たち。そう思ってました。韓国や中国の靖国神社に対する反応を見たらそう思っても仕方ないか・・・。正しくはもちろん「A級戦犯」ですが、だったらBとかCとかの戦犯はいないのか?と思ってました。今回の主人公はそんな風にBC級戦犯として裁かれた人々です。

戦争裁判とは何なのか?勝者が正しく敗者が間違っている。そんな観念の元で開かれる裁判といえるかもしれません。今のイラク戦争の「フセイン大統領裁判」を見ているとそんな気がします。「どちらが正しいのかは歴史が証明してくれる。」よく聞く台詞ですが「歴史は勝者によって作られる。」ともいいます。私も歴史教育に関わる人間ですが、よく言っている台詞があります。「自分で見て考えて判断しろ。」です。私はそのために必要なのが「多くの知識」であり、「相互の文化を理解することである。」と考えます。それこそが学ぶということの本当の価値ではないでしょうか。

さて、感想に戻りますが、ミュージカルとは台詞を歌っていると考えるかもしれませんが、この作品のイメージは肝心なところでのみ歌い、あとは歌に頼らない。しかし、ダンスの技能は高い。これは良いですね。バリ島やインドネシアといった方面の踊りは日本とよく似ていてどこか違う。体の重心の違いだと思いますが、日本人には一朝一夕には踊れないでしょうね。よく踊れるな・・・。 すごい!

さて、まとめの感想ですが・・・改めて劇団四季のレベルの高さを知った。そんな感じですね。